「ちょうどよく」する技術

iPod touchを使い始めて一週間もたたないんだけど、iPod touch + Safariの使い心地のよさに衝撃を受けまくっている。文字の視認性がいいし、見る範囲を調整する操作が軽快。縦、横、自由の3種類のスクロールモードがあるんだけど、ユーザのタッチ操作を瞬時に(といってもマシン時間からすれば十分な時間なんだろうけど)判断して「縦」と判断したら縦にしか動かなくなる。このとき横へのブレはフードバックされない。これが、操作している身としてはとてもうれしいし、気持ちがいい。もっとすごいのは、ダブルタップ(タッチかな?)したときの拡大と縮小。Webページのレイアウトを解析しているようで、縦の段組がしてあるようなページなら、本文のある部分に横幅をあわせて拡大してくれる。ピタっと収まるかんじ。これは今までWebブラウジングとしては経験したことの無い操作感だ。大雑把に言うと「ちょうどよく」してくれる技術だと思う。
あたりまえの事といえばその通りなんだけど誰もそこを突き詰めて考えていなかったと思う。Windows Mobileなんて、もう何年も前からあるのに、たったこれだけのユーザの利便性を実現することができなかった。iPod touchSafariを使ってしまうとW-ZERO3Opera Mobileとかゴミとしか思えない。こんなことになってしまったのはソフトウェア技術の差なんかじゃなく、操作する快感にフォーカスしているかどうかの違いなんだと思う。それはきっと、Microsoftがソフトウェアベンダであるのに対してAppleがハードウェアとソフトウェアを組み合わせた製品(トータルソリューション)のベンダであるという違いに、起因するんだ。一方だけじゃない、両方の技術の高度な融合。これができているのは、Appleのほかには任天堂ぐらいじゃないだろうか? MicrosoftXboxを持っているけど「技術の高度な融合」というよりも「電気と技術の無駄遣い」という感じがする。これはSONYPS3も同じで、結局のところ、絵をキレイにすることにしか技術が使われていないと思う。まったくもってガッカリだ。
ここでフト昔を思い出すんだけど、もう10年も前、System 7なんてOSの頃からAppleは「ちょうどよく」していたなあと。たいした話じゃなくて、Finder(Windowsでいうところのエクスプローラー、ファイルマネージャ)の窓に「ちょうどよく」するってボタンがあって、ここを押すと、中にあるアイコンがちゃんと収まる大きさにウィンドウの大きさが調整される。ロジックはたいしたモンじゃないけど、そのおかげでFinderの操作性はすごくよかった。そーゆー操作性を大事にする文化と実現する技術が、連綿と受け継がれているのだなと、ちょっとうれしくなった。
それに引き換えWindowsの「最大化」⇔「元に戻す」ボタンのショボさ加減にはゲンナリとしてしまう。もう、なんとかしてくんないかね? ああ、Mac買えばいいのかw うーん、Mac miniでも検討してみようかw