ドイツワインの難しさ

Ainが「黒猫!」という振りをしてくれたので、改めてドイツワインについて知っている事を整理してみようと思う。

ワインを楽しむ生活の入り口を与えてくれたのが、ドイツ、モーゼル地方のピースポーター・アウスレーゼだった*1。それまではせいぜい居酒屋で遊びで頼むか、実家に居た頃に親父が買ってきた十勝ワインを飲む程度。辛くてすっぱいという印象しかなかったけど、ドイツワインを飲んで世界が変わった。

その後ドイツワインの格付けについて基本的な知識を仕入れて、QbA、カビネット、シュペトレーゼ、アウスレーゼ、ベーレンアウスレーゼ、トロッケンベーレンアウスレーゼがあることを知る(アイスワインはまた別格)。味の基本は酸と甘みで、収穫時期とぶどうの選別、ぶどうの状態によって等級が変わり、トロッケンベーレンアウスレーゼに近づくほど甘みが増していく。フランケンの辛口もあったけど、こっちには手を出さず、アウスレーゼを中心に楽しんでいた。

で、その格付けとは別に地方の名前がついている。ナーエ、モーゼル、ラインヘッセン、ラインガウ。後他は良く知らない;; フランスワインだとAOCの地域名に相当する部分だと思う。ここまではまあ、そんなに難しくない。

でもって、そこから先の部分でこんがらがる事が多い、というか理解不能になっている;; フランスワインだと、生産者がつけた名前が入る。ボルドーならシャトーの名前と、必要に応じてサブブランドの名前がつけられるし、ブルゴーニュなら村の名前+畑の名前+生産者の名前という感じ。
これがドイツになると一風変わった感じになる。上のフランスワインと似た命名規則が適用されるものもあるとは思うけど、有名どころはちょっと違う。いわゆる「黒猫」シュヴァルツカッツ、「母乳」リープフラウミルヒ、そして最近追いかけている「蛙」クレーテンブルネン。これらの名前はフランス流の命名規則には当てはまらない。一種の地域ブランドみたいなものらしい。なのでシュヴァルツカッツといっても、いろんな生産者が作っているので、このブランド名だけで前飲んだワインを特定できない。リープフラウミルヒも、クレーテンブルネンも同様っぽいです。
こーゆー分かりにくさがドイツワインの困った所だと思う。でもまあ、なんというかかわいらしさはあるんだけどね。シュヴァルツカッツは猫のトレードマークで結構一般にも浸透しているし、リープフラウミルヒはマドンナががんばっているので知名度も上がってきている(マドンナ=リープフラウミルヒという誤解も生じていると思うけど)。クレーテンブルネンもドイツ語で「蛙の泉」なんて意味らしいし、なんかこう、昔ばなし風なイメージ。なんというか、「格」というものよりも「親しみやすさ」を感じる。そーゆー所はすごくいい。

・・・でもなんか調べてみたらこんな記述を発見。

このドイツワインを飲んだことのある方はとても多いと思います。「聖母の乳」と訳されるこのワインは最もポピュラーなドイツワインです。

かつては輸出ワインの半数を占めており世界中にファンの多いワインでもあります。写真はその一つで日本でサントリーさんが販売しているマドンナというワインです。

ラインヘッセンのワインでも触れていますが、ラインヘッセンのヴォルムスというところにある聖母教会の畑でとれた葡萄から造られたワインをこう呼んでいました。このワインはその名の如くふくよかな甘みを持ち口当たりの良いカジュアルなワインです。

現在では聖母教会の畑だけではなく、ラインヘッセン、ファルツ、ナーエ、ラインガウの4地域で造られ残糖量や葡萄品種などが規制によって定められています。

リープフラウミルヒ
・・・もはや地域ブランドでさえない。正確に識別するには生産者名とブランド名、等級の3つを把握しなければならないのか。大丈夫かドイツ!! ま、来年はドイツワインももう少し研究します。

*1:「ワインなら、ドイツのピースポーターアウスレーゼがいいぞ!」と教えてくれたのは某M先輩。その節はありがとうございました。