リスクの適量化

ストリズマンの本の資金管理戦略の所を延々と読みながら日々を送っているわけですが、なんとなくフィーリングがつかめてきたような気がする。1月はカブコムの手数料の高さに辟易として手数料が全体のリスクに占める割合を極小化しようとしていた。これは手数料の為にとるべきでない高いレベルのリスクを取るという、バカとしか言えないような資金の使い方だったなと、今にして思う。
2月は少しクールダウンしてポジションのサイズを個々には小さくとったけど、合計ではやはり大きすぎるリスクを取っていたと思う。そして中国からの株安に飛び込んで溺れる。
3月になってリスク費をコントロールする考えを導入して、一度に多くのポジションを取るのではなく、1つづつ増やしていく。増やしたポジションは含み益が出て、リスク費の取り崩しがいらない(トレイリングストップで窓が開いた下げがない限り一定の利益が出る)状態になったら、新たなポジションを取るようにする。利益は目標を大きくとって、ストップロスもすぐ引っかからないぐらいの大きめの幅に取る。こんな感じにしたら結構うまく回るようになってきた。取りすぎる必要のないリスクを、いかに減らしていくか。利益機会をいかに多くするか。これを突き詰めていけば、うまくいく。はず。

ストリズマンの本では、トレードの標準偏差を利益も含めていかに小さくまとめ上げるかに主眼を置いていた。利益を伸ばしに伸ばしまくるのは、最悪のドローダウンに匹敵する悪だと位置づけていた。でも、これは必ずしもそうじゃないんじゃないのか? と思う。損失の標準偏差を十分に下げていれば、利益の標準偏差には多少のばらつきがあってもいいんじゃないだろうか?
多分、ストリズマンが言いたいのは「結局、うまくいってるから、いいじゃないか」という考えで、自分のシステムの振る舞いを客観的に分析することを放棄する、その言い訳になってしまうのが良くないということなんじゃないだろうか? なぜ利益にばらつきがあるのか? その理由に妥当性はあるのか? 致命的なドローダウンの予兆を見逃していないか? この問いを常に抱きながら運用できるのであれば、利益のばらつきは許容できるものなんだろう。多分。