王道進行
JPOPサウンドの核心部分が、実は1つのコード進行で出来ていた、という話 - 音極道 Music Hacks
王道進行の最初のコード、サブドミナントというのは、それ自体に調性を保留する機能がある上に、ドミナント7の後トニックにいかずにⅢm7にいくあたりで、調性の保留感がさらに強まって、あげくに最後マイナーに方に終止しちゃうっていう。
使いどころによってはかなり調性感をあいまいにする進行なわけです。
そして、「メジャーとマイナーの中間」というのは、実は王道進行だけでなく、JPOPで好まれるコード進行全般にみられる特徴なのです。
音楽理論どころかコードもよくわからんので、フィーリングだけで理解を試みてみる。
「調性を保留する」、「調性の保留感がさらに強まって、あげくに最後マイナーに方に終止しちゃう」ってのは聞く側の切なさをあおるんだと思う。で、このコード進行ってオプティミスティックな感じのコードとペシミスティックな感じのコード、両方の安定度の高い(意味合いが明確な)方向のコードのどちらにもいかずに惑う感じ。こーゆー曖昧な感じを日本人は好む傾向があるんだと思う。
で
その、好む傾向を「あ、これ儲かる」と理解したうえで量産を試みる人たちが現れた。それが今のJ-POP産業の礎になったんだ。その起源はユーロビートにある*1というのは鋭い指摘だと思う。ソレが今のGIRL NEXT DOORみたいな人たちに繋がっているんだと。
金のにおいや、音楽の形骸化って話*2もあって、なんだか悪い印象を持つ人も動画のコメントではあったけど、王道進行が悪なんではないと思う。王道進行は美しいし、日本人はこのコードがかもし出す切なさが大好きなんだ。J-POPっていうものを音楽のスタイルのひとつとして肯定的に捕らえてもいいんじゃないかな、と思った。