三部作 / ACIDMAN

最近ACIDMANの「式日」のPVをリピートで流していたりして、結構ハマっている。Amazonで注文したんだけど、どうもこれは三部作のうちのひとつらしい。ということでズバっと全部注文! とりあえず昨日全部届いて、今日一日楽しんだし、感想を書いてみる。

REMIND

REMIND

REMIND

曲は結構ホットな感じ。で、個人的に残念だったのは歌は全編英語だったこと。ACIDMANの良さは、日本語の歌詞の力強さと美しさにあると思う。REMINDにもすごくキレイな所があって、こんなの。

誰もが悲しい夜を抱えている
本当に大切なものはいつだって眼に見えない

まさにACIDMAN節。というか大木節なのかな、歌詞の部分は。赤色群像もこう、苛立ちというか、焦燥というか、そーゆーものを表現している曲だと思う。三部作の出だしは、もどかしさ、焦りみたいなものに苛まれる、という感じか。

UNFOLD

UNFOLD

UNFOLD

REMINDからは一転して静かなイントロからスタート。こちらは日本語の歌詞がメイン。ACIDMANワールド全開ですよ。

春の雨 水飛沫 夏の夜 千の星
聴こえていたのに
秋の月 傷ついて 冬の風 追いかけて
また此処に来ていた

ACIDMANが好きな人ってのは、やっぱりこの詩の世界にハマっちゃうのが多いんじゃないかな。ガツンとブチかましてくるロックでもあるんだけど、繊細な所もきちんと表現できている。この曲もただ静かなだけじゃなくて、サビもどがーんと来るし、振れ幅が大きい。こーゆーのにクラクラきちゃうんだきっと。
サビの英語だけど、ちょっと意味がそのままだと伝わらないんだよね。解釈を加えないとわからない。超意訳すると「終末がやってくるその前に」とか、そんな意味合いかな。"Before you say"のyouは、わかりやすい言葉でいえば、きっと神さまなんだろうな。世界そのもの、とでもいうか。
三部作の真ん中の印象は、最初の焦燥みたいなのが薄れて、ちょっと諦観がはいってきたような感じ。なんつーか「受け入れなければいけない」みたいな感じ。カップリング曲のベガの呼応の最後のどがーん!!みたいなのは、そーゆー「なければならない」を背負わされちゃった悲壮感を感じちゃう。そしてラストの式日へ。

式日

式日

式日

三部作の前二つは結構重苦しい世界だったんだけど、こっちは一転して明るく、軽い。歌詞は全編日本語になった(UNFOLDはサビが英語だった)。難解な所はほとんどない、わかりやすい世界で、安心して聴ける。でもやっぱり、美しい日本語表現という部分への力み具合が出ちゃっているのが、やっぱりうれしい。

美しい覚悟 僕らは気づかずに
星に時計を見た 密やかな魔法

日常生活では絶対に使わない言葉のつながり。もうね、ファンとしてはたまらないw 歌の世界の一番わかりやすい受け取り方は「つらい季節もいつかは終わって、誰にも再生の春がやってくる。」って感じかな。三部作を通して聴くと、やっぱり式日の明るさが際立つ。最初の2つの重苦しさを経て、ぱーっと開放されて気持ちいい。

あとはまあ、ACIDMANの楽曲・歌詞全般そうだと思うんだけど、とにかくなんでも大げさなんだw 言葉を変えると「壮大なスケール感」とでも言えばいいかな。今の日本って、良くも悪くも、宗教や信仰ってものとの距離を取っている人が多いと思う。無神論って言い切れるほどはっきりとしたものを持っていなくても、セレモニーとしての意味ぐらいしか感じていないってのが正直なところじゃないかな。私は、だいたい、そんな感じ。でも、話が壮大に大きく大きく、偉大な何かに言及しようとすると、そーゆー、神さまとかの世界にだんだん近づいていかざるを得ない。そんな話はなんだか胡散臭く感じてしまうけど、でも、ACIDMANの楽曲の世界に、私なんかでもスっと入れちゃうのは、宗教臭くないからなんだ。すごく普遍的な感覚でものすごく大きな何かについて語る。日常では距離を置いているけど、やっぱりそーゆーものを求めちゃう人にとって、すごく魅力的なご馳走だ。こーゆー事をやる人たちって、なかなかいないので、今後もがんばってやって欲しいなあと、思います。

なんだかよくわらかないラブレターだけど、まあいいや、送信!w