『空風街LIVE』をじっくり聴いてみる

前半はよくなかったけど

「合ってない」とさんざんダメ出しをしているライブ盤だけども、じっくり聴いていると後半がいい感じになっているという事に気づく。そういえばライブも現場で思ったんだけど前半はPAというかMIXというか、音のバランスめちゃくちゃで、ドラムスが前出すぎでボーカルがつぶれちゃってぜんぜん聴こえなくてゲンナリしてたの思い出した。ウタモノバンドって世間的になってるのに、それがボーカルつぶしてどーすんのかと・・・ それが後半、静かなバラード系の歌になっていい感じに聴こえるようになってきたんだった。特にアンコールで演奏した、ギターとアコーディオン、ボーカルのみの構成の「暮らし」はすばらしかった。

後半はよかった。そしてメインテーマとの調和

ライブ盤にはいってた「うしろまえ公園」から「窓越しにみえるは」、「融」への流れがファンにはたまらない感じ。特に今回の第一期終了にあたっての一連の活動に「融解」という名前が冠されていたんだけども、アンコール前ラストの曲「融」と調和していて、聴いていてじーんと染みてくるみたいだ。融解=融(と)けて解(ほど)ける、というテーマにぴったりでホントすばらしかった。空気公団というバンドが、ゆっくりとゆっくりと、ゆるく融けて、個々のメンバーへと解けていく。融解ってのはそーゆー事なんだ、と思った。

改めて「融」を聴きなおして

で、「融」って曲をじっくり聴いていて、どーゆー歌なのかちょっと認識が新たになった。一度壊れかけた人間関係の修復、許しについて歌っているんだけど、どうもその修復はうまく行かないという歌らしい。静かな許し、それしかできない無力さがにじんでくる。「融ける」というタイトルは元へ戻らないという意味だったと、気づかされた。そう気づいたうえで聴くともうまた一層切ない。

信じているさ
だから
もう何も話さなくていい

それは僕に出来ることの全て

信じているさ
こんなことなんか
すぐに忘れられる

このサビに続いてライブではメンバー紹介。切なさ炸裂でした。