小説 ヨコハマ買い出し紀行

本屋をうろうろしていたら、なんか懐かしい顔が表紙の本が置いてあった。手にとって見たら、ヨコハマ買い出し紀行の小説版。「まあ、あんまり期待しちゃいけないよ」と思いながら手に取り、速攻でお会計。コレが確か水曜日の夜。木金土と3日ばかりで読みきった。100点満点ではないけれど、70点ぐらいの満足度。お値段に照らして、十分楽しめた一冊だった。

小説 ヨコハマ買い出し紀行─見て、歩き、よろこぶ者─ (KCノベルス)

小説 ヨコハマ買い出し紀行─見て、歩き、よろこぶ者─ (KCノベルス)

ヨコハマ買い出し紀行のまんが、最終巻が出たのは2006年の初夏だ。もう3年近く経つんだなと、ちょっと感慨にふける。この小説の物語はそれからもっと後の話で、オメガ、という少年ロボットが主役だ。まあ、お話の中身に具体的に触れるのもヤボなので、あれこれと思ったことなど。
なんというか、読んでいてとにかく懐かしい。「懐かしい」という感覚を覚えるのは、それが「思い出」になっているからだと思う。まんが全巻で14冊分の物語を、何度も何度も繰り返し味わってきた。アルファと、おじさんと、子海石先生と、タカヒロと、マッキのいる穏やかな世界。そーゆー、思い出を持っている人がこの本を読めば、きっとひと時、幸せな気持ちになると思う。それは小説本編の主役、オメガに重なる。オメガに、その時代に連れて行ってもらって、その時のあの人たちの気持ちが、どんなものあったのかを、生々しい感情とディテールを伴って味わうことが出来る。そーゆー本でした。

やっぱり、この世界の、穏やかな終焉というのは、悪くない。人間という種にとっての世界の終わりはまだまだ先かもしれないけど、自分にとっての世界の終わりは、もうそんなに遠い未来の話じゃない。気負う必要はないれど、どう終わるか?ということをちょっと考えるきっかけになったかな。できることなら、穏やかに終わりを迎えたいものです。

ヨコハマ買い出し紀行 (14) (アフタヌーンKC (1176))

ヨコハマ買い出し紀行 (14) (アフタヌーンKC (1176))