ふたつのスピカ終了

16巻が先月の終わりに出ていました。読みました。じんわりと心にしみてくるものがありました。

ふたつのスピカ 16 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

ふたつのスピカ 16 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

なんというか、全編を通して感じたのは、柳沼さんが人の善性にささげた祈りみたいなものかなあ。いろんな事故や事件があって、多くの悲しみが生まれる。人が人を不幸にすることもある。でも、人にはほんの少しだけど、いい心と夢があって、明日をほんの少しだけ今日よりも良くする。そうあってほしい。そんな願いが物語になったものが、ふたつのスピカだったなあと。

巻末のほうに載っている「もうひとつのスピカ」に、柳沼さんがこんな事を書いていた。

これといった特技もない学もない
しょうもない自分ですが
もし
たったひとつだけ誇れるものがあるとしたら
それはきっと
ふたつのスピカ
です

本編もよかったけど、この言葉もよかったなあ。人の力に対する信頼を、ガスっと描き続けた9年間。本当にごくろうさまでした。私もこの本に出会えて本当に幸せだった。明日は今日よりも、ほんの少しだけいい日になるかもしれないな。