技術の需要供給ギャップと、今時のプログラマに求められる資質がソレってちょっとどうなの?という話

今日ちょっとid:ryoasaiさんとtwitterで一言二言メンション飛ばしたのが、ちょっとおもしろかったので、それをネタに日記を一つ書いてみることにします。まず最初は

これ。特にちょっと↓の所が気になった。

DDDの第一人者ですら業務で活用する機会がない。

ちょっと一般的にいいかえると「技術者の視点で良いとされる技術と実務で求められるスキルにギャップがある。」
これはね、仕方がない事だと思うんです。「実務で求められる」というのは要するにお客様の要望です。それにマッチしているかどうかわからない(新しい)技術をもってきても、お客様としては判断できない。大事な大事な予算です。ン億なのかン千万なのかはお客様の規模次第だけど、どのお客様にとっても虎の子ですよ。失敗できない大事なお金です。それを「新しいやり方でやります!」と言われても困っちゃうと。という事を踏まえて

このtweetになったと。前半部分はもう、先に書いちゃった通り。でも、もちろん技術者にも言い分があって「いやいや、この技術を使うとお客様の要望を満たして、しかも従来よりもxxが良くなるんですよ。」(xxは技術によっていろいろ変わりうると思うけど、まあそこは適宜脳内変換してください)と言いたい場面もある。なら、それをちゃんと伝えないといけない。そうなると証拠を出さないと説得力に欠けるわけです。そーゆー所の、技術の有効性検証とか評価、その説明ができなければ、受け入れてはもらえないよねと。ちょっと横道にそれるけど、そーゆー点でNTTデータのやったHadoopの実証実験ってすごい事だと思うんです。あれで業界全体の知財ができちゃったんだから。えーと、もといw
で、

提案で魅了できるだけのスキルがないというのも一つの側面ではないかと。

という言葉になったわけです。「魅了」ってのはちょっと言葉のあやが過ぎたかなw 「説得」ぐらいがよかったかもしれない。でも、新しい技術を普及させるときってエヴァンジェリストっているじゃない。そーゆー人たちってのは「説得」じゃなくて「魅了」だと思うんだよね。もう惚れちゃう!っていうw そーゆーのがちょっと頭の中にあった。でもってお返事を頂く。

ここはちょっと、私のtweetの意図が伝わらなくて申し訳なかったんだけど、ビジネス提案という話になっている。これはこれで面白いので、ちょっとここにも触れていこう。

「これからのプログラマは技術だけでなく新しいビジネスも提案できなくてはならない」

これは元になった誰かの日記やtweetを調べないと本当はいけないんだろうけど、きっとこれは「誰か」の主観で、その誰かが主語を「プログラマ」にしちゃっただけなんじゃないかと思う。「新しいビジネスの提案」する役割・職能ってのは、プログラマじゃなくて起業家・アントレプレナーの間違いだ。もうすでにプログラマの職能や定義じゃなくなっている。きっとその人は今プログラマで、待遇に不満があって、大きな成功を掴みたいと願った。そこで今時流行っているネットベンチャーなんかを見ると、プログラマが会社の社長や役員やってんぞと。これをやるしかない!と思った時に、こんな言葉がでてきたんじゃないかな。

でもこれは完全に事実を誤認していると思う。繰り返しになるけど、プログラマやっていた人がベンチャーで成功するのは起業家として成功したのであって、プログラマとして成功したわけじゃない。サービスを立ち上げるのに、自分のスキルを有効活用したとは思うけど、成功を左右したのはプログラムを作る力じゃなくて、どんなサービスがウケて、それからどうやってお金をもらう仕組にするかを考える力だ。それはプログラマの職能じゃない。

なので私なら元の文をこう書き直す。
「今プログラマをやっている人が、ネットベンチャーなんかに憧れてそれを目指すなら、起業家としての勉強を始めるべきだ。プログラムを作る技術では新しいビジネスの提案などできない。」

まあ、現実ってこんなもんでしょ。
なので、後半の

XPなどでもビジネスの人と技術の人の役割は明確に分かれています。ただ、お互いが協調して最良の成果上げるのが理想的ですね。

というのは至極マットウな話だと思います。

あー、ちょっと思ったけど逆なのかもしれない。
「今時の起業家はどんな事業だろうとIT活用必須なんだからプログラマとしての素養ぐらい持つべきだ。」
うん。これならちょと納得な感じ? ま、起業家養成みたいな事をやっている人からおしかりを受けそうだけど、まあいいやw 送信w