Wiiすごいわ

最近、Wiiの無料ソフトが配信開始されてて、その機能を見て本当に任天堂はTV業界を敵にする気なんだなと思った。1つは「Wiiの間」、1つは「出前チャンネル」。

「Wiiの間」は、一口に言うと映像コンテンツ配信のためのコンテナというか、誘導するためのインターフェースソフトという感じ。ウチのADSL 3Mぐらいの回線だとHQでないYouTubeぐらいの映像品質。昔のVHSビデオソフトを見ているぐらいの感じなので、良くはない。でもまあ、私はギリで許容範囲内ぐらいだ。このサービスは電波っていう媒体の利権と完全に競合する。デジタル化で映像品質に雲泥の差があるとはいえ、ここ40年ばかり、同じ映像品質でよろしくやってきたわけで、別に困るわけじゃない。おまけに、デジタルの電波がマトモに入らない住宅(ウチ)が、23区内にだってあるんですよ。でも、そんな家でも「Wiiの間」は見れるんです。そして多分光回線なら、もっといい映像品質で楽しめる。これは電波の既得権益を持っている人たちにとっては恐ろしい事だと思う。

そして、「出前チャンネル」。これはTV放送事業の主な収益源であるCMスポンサーを直接取り込む機能だ。効果のあいまいなTVCMなんぞにお金を払う必要なんてない。これは想像だけど、きっと出前チャンネルの目立つ表示位置ってのはGoogleの広告と同じようなシステムでお金を払って枠を買っていると思う。そしてその効果は、具体的な注文って形で利益につながる。ピザ屋さんはどっちにお金を使うか真剣に考えてると思う。

Wii登場の直後から、コンテンツに「チャンネル」っていう名前を与えたり、天気予報やニュースを無料で見れるようにしたりして、かなりTVに喧嘩売ってる感じはしたんだけど、いよいよ本腰を入れてきたように思う。実際、ニュースや天気予報は速報でない限り、自分が見たいときに見れたほうが便利なんだよ。そこは完全にツボを押さえてきている。「Wiiの間」が支持を得られるかは、どれだけ面白い映像コンテンツを供給できるかにかかっているし、「出前チャンネル」が成功するかは、どれだけ電話よりも便利かにかかっている。そこはこれからの任天堂とコンテンツ制作会社、フードデリバリー会社の努力次第だけど、面白くなっていくんじゃないかと思う。

変わるテレビ - 広告媒体としての価値はいかに──、任天堂の動画配信「Wiiの間」開始:ITpro

 岩田氏は,任天堂にとってWiiの間チャンネルは「嗜好が多様化する中で,ゲーム人口を持続的に拡大するための取り組み」だと説明する。インタラクティブな要素が特徴のゲームは,遊ぶにもそれなりのエネルギーを必要とする。このエネルギーをかけたくない気分のときや,現在ゲームを遊んでいない人でも,ゲーム機に関わりを持ち続けられるようにするための提案が,Wiiの間チャンネルなのだとする。サービスの提供に当たっては,既存の動画配信サービスの焼き直しではなく,新しい仕組みだからこそできることを目指したという。また,放送事業者に対しては事前に構想を説明し,在京キー局5局からWiiの間チャンネル用に番組提供を受けた。「これはWiiの間チャンネルがテレビの敵ではないことを認めてもらったからだと思う」(岩田氏)とし,テレビ放送とはライバル関係にないことを強調した。

この記事では「敵ではない」といいつつ、TV画面をいかにWiiで占有するか、ゲーム以外の時間の滞留時間を長くするかという話をしている。それは直接、TV放送とTV画面の奪い合いをするってことだ。こーゆー事をしれっと言ってのける。岩田・・・ 恐ろしい子

とりあえず、今日流していた「森羅万象地球図鑑#002」は面白かったです。最近サイモン・シンの「宇宙創生」*1を読んだばかりだったので、より楽しめた。こーゆー、いい番組をいっぱい流してくれれば、電波放送としてのTVはあんまり必要じゃなくなってくるかもな。DSiで持ち出せるし、録画しなくてもいつでも見られる(サーバから削除されたら終わりだけど)しね。