地球生まれの異星人

地球生まれの異星人―自閉者として、日本に生きる

地球生まれの異星人―自閉者として、日本に生きる

昨日喫茶店で集中して読み切った。面白かった! 前の本「僕の妻はエイリアン」の次にコレを読むっていう順番が正解みたいだ。「僕の妻はエイリアン」では結婚生活が中心に書かれているけど、「地球生まれの異星人」は、小さい頃の記憶から「僕の妻はエイリアン」を書くまでが書いてあって、今までの人生で起こったいろいろが書いてある。
読みきって思うけども、この話はなにも自閉症スペクトラム障害の人だけの特別な話ではない、と思う。完全な人間なんていないんだから、誰だってどこかいびつな何かを抱えている。約束が守れない人、食事の自制がきかない人、ギャンブルにのめりこむ人。みんなそれぞれ困った事や悩みを抱えて生きている。そーゆー困っている状況を自覚して、直していきたいと願うなら、案外手助けというものは得られるし、状況を変えることができる。思うに、それが「大人になる」という事だ。
この本の後半では、「本を書きたい!」という気持ちがあって、それをどうやったら実現できるのか?という事を調べるところから始まり、実際に執筆、出版にこぎつけるまでの話が書かれている。これは世の中というヤツとの格闘だ。そして闘い切って、本を出版し、今では文庫にもなり、違う本もまた出版している。この人は本当に大人だ。自分の意志で人生をコントロールする力を持ち、その方法を知っている。その力の前に、なんたらほげふが障害なんて、ゴミみたいなもんだ。この人のようになりたい。そーゆー気持ちになった本でした。

以下蛇足。
なんというかー、「異星人」は言いすぎのような感じがする。せいぜい「日本生まれの異邦人」か「日本生まれの地球人」ぐらいが内容と見合うだろう。でもまあ、そんな微妙なタイトルつけたって目に留まらないわけだから、ズバっとエイリアンを字義的に拡大解釈して異星人にしてみました!という事なんだろうなー。でも、カナの「エイリアン」にしておけばマルチミーニングでもっと面白いタイトルになったと思うんだけども、まー、考えすぎってやつかw