COBOLはもっと評価されていい

ニュース - [XDev]「COBOLは現役バリバリ」、東京海上日動がシステム全面再構築でCOBOLを選んだワケ:ITpro
東京海上日動の新システムはCOBOLを採用 | スラッシュドット・ジャパン デベロッパー
読んでいると、スレッドの前半は「はぁ?COBOL?なんでいまさら?大体COBOLなんて・・・」とこき下ろしが続く。なんというか、COBOLで業務処理書いたこと無い人が叩いているような印象だった。COBOLにはデバッガがないと思わせるような書き込みもあったし。製品にもよるだろうけど20年以上前からデバッガぐらいあるよw 中には「ビジネス面でこれらをお客様目線で見直し,シンプルにわかりやすくする」っていうマクロな業務プロセスの見直しを「要はリファクタリングをもって抜本改革なんて呼んじゃっているわけだし。」と、コードの見直しなんてミクロなレベルに落として批判してたり。なんだかなあ。

でもまあ、後半はわりと現実的な肯定意見が目立った。

私は、保険屋さんが事務の効率化の道具としてメインフレームCOBOLを使うのには賛成だ。堅牢性、安定性、必要十分な機能性があると思う。スレッドのなかでCOBOLが貧弱な言語仕様で機能性において今時の言語と比較にならないなんて指摘があった。ソレに対して

私見ではありますが、COBOLの何が事務処理に向いてるのかと申しますと、
COBOLの持つ機能ではなく、COBOLが持たない機能が多いおかげで、事務屋が
事務屋の目線で使える言語である、ということなのではないかと思います。

こんな意見が。まさにCOBOLの良さってのはここにあると思う。そして、保険の事務処理を機械化するのに、それほど高度な抽象化(最近の言語は、COBOLと比較するといかに抽象化するかが重視される傾向があると思う)は必要ないってのもまた、事実だ。必要な機能を、十分に満たした道具として、COBOLを選んだ、ということだと思う。COBOLは単純だ。そして、単純さは堅牢性につながる。これは金融保険業に対する社会の要請のひとつとして、絶対にはずせない要素だ。

そしてCOBOLのもうひとつの利点が

標準で(外部ライブラリなどを使わず)、十数桁の金額の計算を、想定外の丸めなどを起こさずに十進で銭単位まできちんと計算できる言語って、そんなにたくさんあります?

これだと思う。IEEE 754アンバイアス丸めなんてされたら困るんだ。

ただ、まあ、COBOLで書かれたシステムのメンテナをどうやって確保していくかが、課題かなー。でも、COBOLが応用される業務処理では難しい言語機能は求められないし、比較的短期間で育成していくこともできるか。そこに特化した会社もあるみたいだし。需要があるところ供給もまた、生まれてくる、かな。

ああ、そうか、COBOL屋さんが他の言語を習得するのは難しいとか言われるのは、COBOL屋さんの扱ってきた仕事がシンプルで、他の言語で扱わないとできないような仕事は相対的に複雑になりがち、というところに原因があるのかもしれないな。