「ブラック会社に勤めているんだが、もう俺は限界かもしれない」読了
- 作者: 黒井勇人
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/06/26
- メディア: 単行本
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内容は、いい。共感を呼ぶ内容だと思う。でも帯の「ワーキング・プア」ってのはあんまり当てはまらないような気がする。少なくとも本になっている部分で、経済的にプアな感じはあまり感じられなかった。情緒的・精神的・道徳的な部分でプアな感じの人が多い会社ではあるけど。まあそこが「ワーキング・プア」に「(笑)」がついている理由なのかなw
あと、上原さんの吃音で「こんなやついるの?」という指摘がスレでされていたけど、います。私の身の回りでは同僚ではないけど、お客様サイドに。
しかしよくもまあ、これだけの人が集まるな。いい人から待遇のいいところに入っちゃうので、マ男が勤めるぐらいの会社には、それなりの人が自動的に集まってしまう、ということなんだろうけど。しかし、「仲間」ということが作中で語られるけど、どうなんだろう? 私だったら現状に満足できなきゃ出ていく方法を考えるけどな。ああ、まあ、そーゆー状況では「仲間」が見つけられないのか。逆に「仲間」がいれば、なんとかやれるのかも。
それにしても藤田さんカッコよすぎだな。キーマンすぎる。神すぎる。デマルコのピープルウェアでも、そーゆー雰囲気を作るキーマンのいるプロジェクトは生産性が高いみたいなエピソードを紹介していたような気がする。本が手元にないので細かい所は思い出せないけど、女性の技術者だったような。やっぱり、どんな職場か。どんな人が集まった職場なのかが、どんな仕事にも共通するポイントなんだろうな。働いていて楽しい職場。そーゆー職場を作らないとね。
- 作者: トム・デマルコ,ティモシー・リスター,松原友夫,山浦恒央
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2001/11/26
- メディア: 単行本
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個人的には井出−竹中のあの組み合わせは、なかなか得難いナイスなものだと思う。意図してやったのだとしたら、リーダーGJだ。基本的に井出はうざいタイプだけど、中和作用があるので、組織にひとりぐらいはいてくれた方がいいかもね。
んー、あと学歴がマ男のコンプレックスになっていたけど、ちょっとその気持ちはわかる。中卒ではないけど、大学行ってないからなー<私 ユーザー系のシステム子会社にある時期出向になっていたけど、微妙に学閥があって結構引いた(&向こうからはも引かれていたかもしれない)。なんか、そーゆーのに最初から蚊帳の外で相手にされないというのも、ちょっとチクっとするもんです。
やっぱなー、今は大学行っておいた方がいいね。私が就職した頃はバブル華やかなりし頃で、私が就職した所でも100人とか採用していた。当時のスペックで今就職活動しても、マトモな所に行ける気がしません。まあ、学生のみなさんは頑張ってくださいということで。
ちょっと検索したら、こんなサイトが出てきた。
黒井勇人『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』|新潮社
私の会社のブラック度は、この20年ばかりの私の主観では51%という微妙な結果に! まあ、いい時もあれば、悪い時もある。50%前後が、結構恵まれているんだろうな。
あと、もう一冊。構造化分析*1のもう一方の片割れ*2、ヨードンの本を紹介しておこうか。
- 作者: Edward Yourdon
- 出版社/メーカー: シイエム・シイ
- 発売日: 2001/02/01
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この場で、みなさんに告白いたします。私はデスマーチ・プロジェクトのマネージャとしては失格です。少なくとも、私はそう思っています。この理由は、プロジェクトのメンバーをやる気にさせる能力がなくなってしまったからです。
<中略>
私はプロジェクトをうまくコントロールる自信がなくなりました。別の職を見つけ、こんなプロジェクトに引きずり込んだことをみんなに詫び、会社を辞めました。少なくとも、この件では良い見本を示せたと思います。プロジェクト・チームの10人のうち、1年後にまだ会社に残っていたのは1人だけだったのですから。
マ男の話はひとつの希望ではあるけど、それは僥倖というヤツなのかもね。希望=マレなるノゾミと読んだのは杉浦日向子さんだっけな。
*2:ん、あれ? ヨードン&デマルコだと記憶していたんだけど、著者にデマルコしか出てこない。記憶違いかも?