ピアノの森を120%楽しむ夕べ

ピアノの森 [スタンダード・エディション] [DVD]

ピアノの森 [スタンダード・エディション] [DVD]

夏ヒマだったんで劇場で観るべきだったんだけど、「DVDで見ればいいやー」病が発症して、12月までずれ込みました。実際に買ったのは2枚組みのヤツ*1

なんつーか、例によって酒肴を整えて本腰いれて観てみました。

最近定番になりつつあるオッペンハイマー・クレーテンブルネンのシュペトレーゼ。これぐらいなら、フルーツを焼きこんだパンなんかといい感じになる。あとは特価品の生ハムの切り落としと、パテ。付け合せにたまねぎ、トマト、パセリの刻みとカイワレを添えて。

で、本編。万人向けのいいまんが映画。文句なし。お笑い系の人とかを声優として起用していて、そーゆー部分に一抹の不安を抱いたけど、そんな心配は不要でした。阿字野=雨上がり宮迫でしたが、違和感ナッシング。で、本編そのものに感動を覚えるかどうかとか、その辺は人の捕らえ方次第なんだけど、私はコンクールで雨宮くんを見て泣きましたよ。

泣いたって人も他にもいるんだろうけど、きっと理由は人それぞれで。私の場合だけども、なんというか、この作品が天才と秀才の間に横たわる遥かな距離と嫉妬の物語だと思っていて、その物語の中に自分自身が秀才の遥か下の凡才の下みたいなところで地べたにはいつくばって毎日生きている現実を、観てしまったワケです。世界だけでなく、日本には数多くの光り輝く天才がいて、その星を見て毎日努力を尽くすわけだけど、絶対にその距離は埋まらないという事も、理解できる程度には大人になってしまったなと。雨宮くんがカイくんに抱く幼い嫉妬を見てしまうと、ああもう俺はなんという卑小な存在なのかとバカかと、生きる価値なしかと。

まあ、私のことは置いておいて。

今、まんが本編では成長したカイと雨宮がショパンコンクールで激突!というあたりまで来ているけど、ほんとね、この作品の主役は雨宮だと思う。彼の嫉妬、彼の絶望、彼の憧れ。カイを中心に彩られる数々の人間らしい感情。醜いと一口に言われる事もあるだろうけど、人はそーゆー感情無しではいられない。そこが人間の良さの一つだと思うんだけど、まあ、意見の不一致を見ることもあるかなw

ピアノの森(14) (モーニング KC)

ピアノの森(14) (モーニング KC)

しっかし、何で音楽をテーマにして、まんがで作品つくるかな、この人は。でも、ちゃんと絵の表現でそれを成立させちゃっている所が信じられない。まんが喫茶で1巻から読み直してみようかな。